新しく庭を造る場合は、「植物」を主役にするか「工作物」を主役にするかの二通りの方法があります。最近の傾向として、メンテナンスの煩わしさや費用の削減を図るために、極力、植栽を減らし、コンクリートのテラスやウッドデッキなどの「工作物」中心のエクステリアが大流行です。施工の際の初期費用は割高でも、長期間、ストレスフリーで外部空間を楽しめます。一方、「植物」を中心に庭造りすれば、木や草花は年月の経過とともに確実に成長し大きくなるので、定期的なメンテナンス(剪定、除草等)が必要となり、そのための費用も生じてきます。しかしながら、たとえどんなに豪華で立派な工作物を使用してできた空間よりも、緑たっぷりの贅沢さ美しさ満載の空間のほうがはるかに勝るのではないでしようか。季節ごとに花や実がついたり紅葉したりする光景に夢を膨らませて、新しく植物を植えることのほうが、きっと楽しいに違いありません。結論から言うと、新改築時には体力も気力もきっとお持ちのはずですから、「植物」が主役の庭造りをすべきです。「工作物」が主役の庭造りは、家族構成やライフスタイルに変化の生ずる10年20年後になって初めてお考えになっていいと思います。弊社としましては、とにもかくも「植物が主役」の庭造りをご提案します。
庭にはそれぞれ作られた目的(ストーリー)があり、そこに存在する庭木は大切な役割を担っています。庭木たるものは四季折々の姿(新緑、花、紅葉)を楽しんだり、または果実を収穫して味わったり、木陰や目隠しを作るといった目的で然るべき場所に植えられているのです。例えば、人通りの多い道路に面した境界には目隠しやほこり除けを目的で木を植えますが、剪定の際に葉がなくなるほど強く切ってしまうと、本来の目的が果たせなくなってしまいますし、花木なのに無暗に切って花芽を切り落としたりすると、当然、花も咲かず愛でる楽しみが消失します。剪定で大事なことは1本1本がどのような目的で植えられたのかをよく考えることです。また年月を経れば、庭の持ち主の例えば、毎年ちょうど手の届く範囲でついていた果実が、ライフステージ(人の人生において年代に伴い変化していく段階)の進行で摘み取り難くなってしまいます。そういった場合には少しずつ木を小さく仕立てて実の付く位置をコントロールすることが求められます。このような観点から、庭木をライフステージに合わせて剪定することも大切になってきます。弊社ではお客様のライフステージと庭の目的に合った剪定作業をするよう常に心掛けています。